書評:『Google Adsense マネタイズの教科書(のんくら本)』かつて「雑記サイト」というのはあまり聞いたことがなかった

通称「のんくら本」とも呼ばれている書籍『Google Adsense マネタイズの教科書 [完全版]』の書評です。

※「のんくら」とは、3名の共著者(と1名の監修者)の中で主筆である早川修氏のハンドルネームのこと。

本のタイトルからは「アドセンスの稼ぎ方」というような内容の本と思われるかもしれませんが、それもさることながら「王道的なWebサイトの構築方法」を学べる本、というのが筆者が読んだ印象でした。

本記事では、Web業界歴10年以上の上級ウェブ解析士が本書の解説をします。

ブログが無かった時代は「雑記サイト」というのをあまり聞いたことが無かった

10年以上も前、日本のインターネット界隈で「ブログ」がまだそれほど浸透していなかった時代は、当然ながらブログではない「Webサイト」を閲覧していました。

当時は「雑記サイト」「特化サイト」というような表現をあまり見かけた記憶がありません

これは、ブログが普及し、どのようなサイトを立ち上げるにも多くがWordPressを使うようになった今とは違い、静的なHTMLのWebページを作成していたことで、簡単にカテゴリやページを追加できない環境であったことに起因していると考えています

静的なHTMLサイトでは、コンテンツや情報を入れる際、WordPress等のCMSほど簡単にできないので、必然的に何かに特化したサイトになりやすかった、ということなのではないかと思います。

昔、個人で初めてWebサイトを立ち上げる際はテーマを絞っていることが多かった

私は、そのような時代にWebデザイナーからこの業界に入ったのですが、当時、もし個人で初めてWebサイトを立ち上げるという場合は、何かのテーマに絞ったサイトを立ち上げ運営していくのがごく一般的なイメージでした。

しかしながら、現在は個人の方が初めてWebサイトを立ち上げる際、その手軽さから無料ブログやWordPressを使って、複数のテーマがごちゃ混ぜになっている「雑記ブログ」が多数で、専門特化したサイトを最初から立ち上げよう、という方は割合的に半数以下になっているのではという印象があります。

「雑記ブログ」が一概にダメ、ということではなく、サイトの目的に応じて「雑記ブログ」「雑記サイト」が適している場合もありますし、「特化ブログ」「特化サイト」の方が適している場合があります。

『Google Adsense マネタイズの教科書』はまさにこの「テーマを絞った特化サイト」が大前提で、その上で「特化サイトのWebサイト構造はかくあるべき」というのを論じています。

個人でWebサイト立ち上げ・運用する際は、昔は当たり前に思われた「特化サイト」が、今となっては「雑記サイト」「雑記ブログ」の方が多いのではないかという中、時代を感じさせるとともに、本書が時代の要請として登場すべくして登場した、と思います。

志向するのは「収益を安定させること」

本書では、

「自動販売機のように放っておいても自動で稼いでくれるサイト」であり、「完全に放置してもアクセスが落ちないサイト」

とあり、「収益を安定させる」ためのサイト設計やコンテンツの作り方が学べます。
短期で大きな収益を求める方にはマッチしません。

また、収益を安定させるためにはアクセスを安定させることが必要になりますが、

アクセスが安定するかどうかはテーマ選びの段階で9割以上決まるといっても過言ではない

とあり、本書の冒頭でこの「テーマ選び」について紙面が割かれているところに、その大切さを感じ取れることと思います。

この他、

  • 元Yahoo!、元Google(AdSenseチーム)の石田健介氏による「稼ぎ続けるためのAdSense運用方法
  • 20年近く前から公開し、ギターの弾き方分野ではとても信頼されているサイトを運営しているa-ki氏による「オーソリティサイトの作り方

も学ぶことができ、また、サイトの収益化やアフィリエイトの分野で複数の書籍を出版されている染谷昌利氏が全体の構成や監修をしているという点でも本書の内容の充実さが伝わるかと思います。

本書は他の同様の書籍よりも、Webサイト運営の初心者にとっては難しい面もあるかもしれませんが、私としてはWebサイト運営の初心者こそ、まずこの本をしっかり読み込んでからWebサイトを立ち上げた方が、結果的にアクセス数や収益の面でプラスになるのではないかと考えています。

もちろん、ある程度Webサイト運営の経験のある方でも、気づきや発見に溢れる書籍と思いますので、Webサイト運営をされている、またはこれからしようとしている方、全ての方にオススメしたい一冊です。

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